PHOTOGRAPH BY haruki anami

About Project

「山と私を和えるプロジェクト」は、生命の悦びとしての「流域の感覚」を、おひとりお一人の中に呼び覚ます「旅=プログラム」と「食」を創造するプラットホームです。

アントラークラフツは、お山への畏敬を持つ料理人・漁師・林業家の方々をお迎えし、このプロジェクトで火山列島の豊穣と美しさを言祝ぎ、受け継がれてきた哲学と技術を分かち合うことを目指します。

岩手・遠野の早池峰山東方の宮古市を南下し、北上川河口を経て、宮城・石巻の牡鹿半島・金華山までの太平洋沿岸は、山から海まで広く深く連なるリアスの海の流域です。この地で生まれた古老の漁師、大先達が言いました。

「山が枯れれば海が枯れる」

雨水が山の岩盤に浸み入り、樹木の根や苔と微生物のはたらきにより、さまざまなミネラルが溶け出し、海底から湧水とともに湧き出します。沿岸の水産資源の豊かさの源です。火山列島の岩盤と湿潤な気候。この奇跡の出合いによってもたらされる豊穣へ、感謝と祈りを捧げるため、この流域では湾・浦・湾戸に小さな社・祠が祀られてきました。

生きものの生命は岩盤という「お山」でつながり、育まれる。

この「流域の感覚」が、大先達の言葉の中に生きています。

そなたを見ていると古い書に伝わるいにしえの民を思い出す。
東の果てに赤シシにまたがり、石の矢尻を使う勇壮なる蝦夷という一族あり。— 『もののけ姫』スタジオジブリより


早池峰山から牡鹿半島・金華山までのリアスの海の流域はどのように誕生したのでしょうか?

約5億年前にできた早池峰山の岩盤に、プレートテクトニクスで移動してきた陸塊がぶつかり、南部北上山地が生成されました。時を経て2万年前に氷河期が終わり、温暖化で海水面が上昇します。縄文海進として知られるこの頃、かつての火山運動で深く刻まれた谷部に海水が入り込み、リアスの流域が生まれたのです。

海上から切り立つ岩肌、節理の美しさ。そしてこの岩に浸み入り海底から湧き出す水のありがたさ。リアスの流域を海から眺めると、山頂から海の底まで「お山」という岩盤でつながっていることを強く感じます。

More Details

太古の頃から東北は、東はアリューシャン列島を通って北アメリカ大陸と、西はユーラシア大陸のアムール川流域とも陸続きで、熊や鹿、鮭の狩猟採集文化でつながっていました。東北のマタギ、アイヌのイヲマンテ、ネイティブアメリカンのハマツァや熊送りなど、環太平洋各地で伝えられてきた自然界の権力の象徴である熊を祀る儀式には、人間社会という「文化」と生き物の「自然の力」のバランスを保とうとする精神の基層が流れています。

古代になると、大陸から製鉄技術を持った民族が渡来し、この地に豊富に眠る鉄や金などが鉱山資源として産出されるようになります。その後、稲作を中心とした国家システムとともに西から大和民族がやってきて、東北は統治されていきます。本来王権は自然に源泉があるとする狩猟採集民族の精神は、国家の成立とともに一部の祭りやしきたりの中にひっそりと隠れたものの、いまもなおリアスの流域にも色濃く残っているのです。

川底にしっかり張った根で水を浄化しながら、しなやかな黄金色の風となる北上川の葭原(よしはら)。胎盤のように雨水やミネラルを海へと導きながら、太平洋にそびえる岩盤と樹木。雄大な風景の中にめぐる微細な水の動きを思い描くときひとつの問いがおのずと湧き上がります。

「私たちは生きる悦びを何からいただいているのか?」

海や川から陸を見つめ、お山に登り、目の前の風景と自分自身を重ね合わせることができたとき、心身にじわじわと湧き起こる「流域の感覚」と、美しい火山列島に生きる悦びに満たされます。

この幸せな時間を、みなさまと分かち合いたい。

「山と私を和えるプロジェクト」では、流域の感覚を身体化する新たなプログラムをこの流域で立ち上げるためのリサーチを行なっています。案内人は、流域で生まれ、海と山の 変化を日々感じ、そこに生きる生きものの生命をいただき、喰らってきた者たちです。3名とともにみなさまにご参加いただくプログラムを開発中です。ぜひご期待ください。

リサーチ&レポートへ

山の案内人

小野寺望

Nozomu Onodera

総合ナビゲーター

佐々木宗治

Muneharu Sasaki

川・海の案内人

木下智也

Tomoya Kinoshita

私たちのこの身体は、 何で満たされているのか?  私たちは何に 生かされているのか?

流域の季節を巡らせる健やかな身体を整え、お山のめぐみを言祝ぎ、悦ぶ精神を養う。それが「山と私を和える食」の目指すところです。心身に湧き起こる「流域の感覚」と、美しい火山列島に生きる悦びのもうひとつの入り口として、私たちは「山と私を和える食」をお取り寄せのひと品としてみなさまにお届けします。

「私たちは何に生かされているのだろうか?」
「私たちのこの身体は、何で満たされているのだろうか?」

流域=お山の季節が健やかにめぐることは、私たちの心身も健やかにめぐること。お山と津々浦々の流域に生きる生きものたちの生命を喰らい、味わい、ご自身の身体と和 えてほしい。

「山と私を和える食」のディレクターとして、仙台で日本料理店を営み、アーティストのプライベートシェフも務める料理人・佐々木紗矢香と、パートナーでリアスの流域を案内するナビゲーター・佐々木宗治を迎えました。

フードディレクター

『こうめ』 (宮城・仙台)

佐々木紗矢香 Sayaka Sasaki

佐々木宗治 Muneharu Sasaki

夫婦で「こうめ」を経営。
昆布とかつをぶしからとる一番出汁を使った料理を中心に、地元の信頼する農家から仕入れた野菜を使った料理など、季節ごと、日ごとに変わるメニューを提供している。また、生産現場に足を運び、生産者とともに作業し話を聞いて過程を知ることで、料理を提供する際にその野菜の良さや育てるうえでの苦労などを少しでも伝えられるよう、日々努めている。みやぎ食材伝道士。

山と私を和える食

第1弾 お取り寄せ
流域の味・夏至の鍋

山と私を和える食

第2弾 お取り寄せ
秋分・冬至鍋

*2026年秋リリース予定